Officeは「相手がいるか」で決まり、セキュリティは「Windows標準+パスワード管理」で足ります。
ファイルを他人とやり取りするなら正規のOffice。自分だけで使うなら無料ソフトで足ります。ウイルス対策は追加購入不要。守るべきはパソコンよりアカウントです。
Officeは本当に必要か
判断の分かれ目は1つだけです。作ったファイルを他人に渡すかどうか。
| あなたの状況 | 判断 |
|---|---|
| 会社・学校でファイルをやり取りする | 正規のMicrosoft Officeを推奨 |
| 提出物の書式が指定されている | 同上 |
| 関数やマクロを含む表を扱う | 同上 |
| 自分で見る文書と家計簿だけ | 無料ソフトで足ります |
| スマホやWebでも編集したい | Web版・無料版が使えます |
| 学生 | まず大学の無償配布を確認 |
互換ソフト(LibreOfficeなど)や、Googleのスプレッドシート・ドキュメントは、自分で使う分には十分です。問題が出るのは他人とやり取りするときで、レイアウトの崩れ、フォントの置き換わり、複雑な関数やマクロの非対応が起きます。「自分の画面では合っていた」が通じない場面が、実務では困ります。
学生の方は、買う前に大学の情報センターを確認してください。在学中はMicrosoft 365を無償で使える大学が多くあります。Office付きモデルの上乗せ分が不要になります。
また、Web版のOfficeは無料で使えます。機能は限られますが、閲覧と簡単な編集なら足ります。まずこれで様子を見る、という判断もあります。
買い切りとサブスクの違い
| 買い切り | サブスク(Microsoft 365) | |
|---|---|---|
| 支払い | 一度きり | 月額または年額 |
| 使える台数 | 限られる(通常2台まで) | 複数台。スマホ・タブレットも |
| 機能の追加 | なし | 随時追加される |
| クラウド容量 | なし | OneDriveの容量が付く |
| サポート期間 | 期限あり。切れると更新が止まる | 契約中は継続 |
| 向いている人 | 1台で長く、機能は今のままでよい | 複数台、家族で使う、常に最新がよい |
判断の目安はこうです。1台で5年以上使うつもりなら買い切り、複数台や家族で使うならサブスク。4〜5年でおおよその損益が入れ替わります。
ただし買い切り版にもサポート期限があります。期限が切れると更新プログラムが止まり、セキュリティ上の弱点が修正されなくなります。「一度買えば永久」ではない点は覚えておいてください。
パソコン本体と一緒に買う「Office付きモデル」は、後から単体で買うより安いことが多い一方、そのパソコン専用のライセンスになっているのが一般的です。買い替えのときに引き継げません。
セキュリティソフトは買うべきか
結論から言えば、個人が家庭で使う分には、Windowsに標準で入っている機能で足ります。Microsoft Defenderは無料の簡易版ではなく、Windowsに統合された正式なウイルス対策です。
そのうえで、追加の製品に意味がある場面もあります。
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| 個人・家庭で使う | 標準機能で十分。追加購入は不要 |
| 小さな会社で複数台を管理 | 一元管理できる法人向け製品を検討する価値あり |
| 子どもが使う | ウイルス対策より閲覧制限が目的なら選択肢に |
| 家電量販店で勧められた | その場で決めず、持ち帰って判断 |
ウイルス対策ソフトを2つ入れると、互いを不審なソフトとみなして動作が極端に遅くなったり、両方とも正しく働かなくなったりします。新しく入れる場合は、古いほうを先に削除してください。パソコンを買ったときに入っている体験版も同じです。期限が切れた体験版が残っていると警告が出続け、本物の警告と区別がつかなくなります。
それより効くのが、次のセクションのアカウント対策です。いま実際に被害が出ているのは、ウイルスよりもパスワードの使い回しとフィッシングです。
パスワード管理のやり方
いちばん危ないのは、弱いパスワードではなく使い回しです。どこか1社から情報が漏れると、同じ組み合わせで他のサービスにも試されます。
やることは3つだけです。
- 重要なアカウントだけ、必ず別のパスワードにする──メール、ネットバンキング、通販、SNS。この4つは絶対に使い回さない
- 覚えるのをやめる──ブラウザの保存機能か、パスワード管理アプリに任せる
- マスターパスワードだけを覚える──管理アプリを開くための1つ。これは長く、他で使っていないものに
| 方法 | 手軽さ | 注意点 |
|---|---|---|
| ブラウザの保存機能 | すぐ使える。無料 | そのブラウザ中心の運用になる |
| パスワード管理アプリ | 複数の端末で共有できる | マスターパスワードを忘れると開けません |
| 紙に書いて保管 | ネット経由では盗まれない | 紛失・火災に弱い。持ち歩かない |
| 頭で覚える | — | 結局、使い回しになります |
意外に思われるかもしれませんが、紙に書いて自宅に保管するのは、使い回すよりずっと安全です。「複雑なパスワードを覚えられないから、全部同じにする」がいちばん危険な選択です。
パスワードそのものは、長さが効きます。記号を混ぜた8文字より、意味のない単語を並べた16文字のほうが破られにくくなります。
高齢のご家族には、控えの保管場所だけ決めておいてください。パソコンが起動しなくなったとき、その中に保存したメモは読めません。→ 小学生・シニアのパソコン選び
2段階認証を設定する
パスワードが漏れても、もう1つの確認があれば入られません。設定にかかる時間は1つあたり数分で、効果は最も大きい対策です。
優先して設定する順番はこうです。
- メール──最優先。ここを取られると、他のサービスのパスワードも再設定されてしまいます
- Microsoftアカウント/Appleアカウント──パソコンの入り口です
- ネットバンキング・証券
- 通販サイト──カード情報が登録されています
- SNS──乗っ取られると、知人にも被害が及びます
確認の方法にも強さの差があります。
| 方法 | 強さ | 備考 |
|---|---|---|
| パスキー(生体認証) | 最も強い | 対応サービスが増えています |
| 認証アプリ(数字が変わるもの) | 強い | 機種変更の前に移行が必要 |
| SMSで届く番号 | 中 | 無いよりはるかによい |
| パスワードだけ | 弱い | — |
回復用のコードは、必ず印刷か紙で保管してください。スマートフォンを紛失・機種変更したときに、これがないと自分のアカウントに入れなくなります。設定した直後が、いちばん忘れやすいタイミングです。
「ライセンス激安」をうたうOfficeのプロダクトキーを買わないでください。正規でないライセンスは、ある日突然「ライセンス認証を行ってください」と表示され、使えなくなります。返金も受けられません。
また、2段階認証の確認コードを、電話やメールで他人に伝えないでください。正規の事業者がコードを聞いてくることはありません。「本人確認のため」と言われても、それが詐欺の手口です。
よくある質問
Q. Office付きモデルと、後から買うのはどちらが得ですか
本体と同時のほうが安いことが多いのですが、そのパソコン専用のライセンスになるのが一般的で、買い替えのときに引き継げません。5年以上使う前提なら同時購入、短期で買い替えるならサブスクが向きます。
Q. 無料のOffice互換ソフトで、会社の書類は開けますか
開けますが、レイアウトが崩れることがあります。相手に返す前提の書類では、正規のOfficeを使うほうが安全です。
Q. ブラウザにパスワードを保存するのは危険ではありませんか
パソコン自体にロックがかかっていれば、使い回すより安全です。ただし共有のパソコンでは保存しないでください。
Q. 2段階認証を設定すると、毎回面倒になりませんか
普段使う端末は「信頼済み」として登録できるサービスが多く、毎回聞かれるわけではありません。新しい端末からのログイン時にだけ確認が入ります。
Q. 偽の警告画面が出ました
そのまま電話しないでください。→ 「ウイルスに感染しました」電話をかける前に読むページ
Officeは相手がいるかどうかで決め、セキュリティはWindows標準で足ります。追加でお金を使うなら、ソフトよりも2段階認証の設定時間に使ってください。効果が違います。
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