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Windows 10を延命するか、買い替えるか。2027年10月までの判断材料

ESUの1年延長で猶予はできました。ただしパソコンの価格は上昇局面です。費用と期限の両面から整理します。

ノートパソコンの前で買い替えを考えている人
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最初に結論

判断の軸は2つだけです。「そのPCがWindows 11の要件を満たすか」と「あと何年使うか」。要件を満たすなら無償アップグレード、満たさないならESUで猶予を取り、買い替え時期を決めます。

STEP 1

まずWindows 11の要件を満たすか確認する

Windows 11の最小要件のうち、古いPCで引っかかりやすいのは次の3つです。

  • TPM 2.0
  • セキュアブート(UEFI)
  • 対応CPU(一定の世代以降)

あわせてメモリ4GB以上、ストレージ64GB以上が必要です。Microsoftの「PC正常性チェック」アプリで確認できます。

STEP 2

要件を満たす場合:アップグレードが基本

要件を満たしていれば、Windows 11への更新は無償です。費用をかけずに2026年以降も安全に使い続けられます。

ただしWindows 10へ戻せるのはアップグレード後10日間だけです。それ以降に戻すには再インストールが必要になります。大切なデータのバックアップは、アップグレードの前に済ませてください。

STEP 3

要件を満たさない場合:3つの道がある

Microsoftが示している現実的な選択肢は次の3つです。

  • ESUで2027年10月12日まで延命する(3,500円、または無償ルート)
  • 新しいPCに買い替える
  • クラウドPC(Windows 365)を使う

「要件を満たさないPCに無理やりWindows 11を入れる」という方法も知られていますが、これはおすすめできません。理由は次の項目で説明します。

STEP 4

費用で比べてみる

ESUの費用は3,500円(税込)で最大10台まで。無償ルートを使えば0円です。一方、買い替えは本体価格に加えてデータ移行の手間がかかります。

注意したいのは、いまがパソコンの値上げ局面だという点です。メモリ(DRAM)の価格が大きく上昇しており、PC大手各社が値上げや見積価格の見直しに動いています。「待てば安くなる」という前提は、現時点では成り立ちにくい状況です。

STEP 5

いつ動くかを決める

整理すると、次のような判断になります。

  • 要件を満たす → 早めにWindows 11へアップグレード(費用0円)
  • 要件を満たさない/あと1〜2年使いたい → ESUで延命し、2027年前半までに買い替え
  • 要件を満たさない/すでに動作が重い → 値上がりが進む前に買い替えを検討

いずれの場合も、2027年10月12日が実質の締切です。この日を起点に逆算してください。

やってはいけないこと

要件を満たさないPCへのWindows 11のインストールについて、Microsoftは「推奨されない」「サポートの対象外になる」「セキュリティ更新を含む更新プログラムを受け取れる保証はない」「互換性の欠如による損傷はメーカー保証の対象外」と明言しています。日常的に使うPCで行う方法ではありません。

STEP 6

アップグレードする前に済ませておくこと

要件を満たしていて、Windows 11に上げると決めた場合。実行ボタンを押す前に、この5つだけは終わらせてください。順番も含めて意味があります。

  1. データのバックアップ:外付けHDDやUSBメモリに、書類・写真・デスクトップの中身をコピーします。クラウドだけでなく、手元にも1つ置いてください
  2. 空き容量の確保:Cドライブに最低でも20〜30GBの空きを作ります。ここが足りずに途中で止まる例が最も多いです
  3. 周辺機器の対応確認:プリンター、複合機、スキャナー、業務用の機器。メーカーのサイトでWindows 11対応のドライバーが出ているかを確認します
  4. 使っているソフトの確認:会計ソフト、年賀状ソフト、業務用ソフト。とくに数年前に買ったきりのソフトは、11で動かないことがあります
  5. 時間の確保:1〜2時間かかります。ノートはACアダプターをつないだ状態で始めてください

3番目と4番目が本当の関門です。パソコン自体は問題なく11で動くのに、つないでいる複合機のドライバーが11に対応していないために印刷できなくなる。この相談が実際に多くあります。事務所で使っている機器がある場合は、パソコンより先に機器側を調べてください。

アップグレードは、繁忙期を避けてください。

問題が起きたときに元に戻せる期間は10日間ですが、その作業にも時間が要ります。月末月初、決算期、確定申告の時期は避けて、余裕のある週に行ってください。会社の全台を同じ日に上げるのも避けます。まず1台で試し、周辺機器とソフトの動作を確認してから残りに広げるのが安全です。

STEP 7

買い替えるなら、データ移行をどう考えるか

買い替えで時間もお金もかかるのは、機械代よりデータとソフトの引っ越しです。何がどこにあるかを、先に棚卸ししてください。

移すもの難易度注意点
書類・写真・音楽やさしいコピーするだけ。量が多いと時間がかかる
ブラウザのお気に入り・パスワードやさしいアカウントで同期していれば自動で戻る
メールやや難プロバイダのメールを本体に保存している場合は要注意
会計・給与・業務ソフト難しいデータの書き出しと取り込みの手順がソフトごとに違う
年賀状ソフトの住所録やや難ソフトのバージョンが違うと読めないことがある
ソフトのライセンス難しい再インストールにキーやアカウントが必要。買った時の書類を探しておく

いちばん危ないのは、古いパソコンを処分したあとで、移し忘れに気づくことです。新しいパソコンで1〜2週間ふつうに仕事をしてから、古いほうを処分してください。その間、古いパソコンはインターネットにつながずに保管します。

STEP 8

買い替えるとき、どの1台を選ぶか

この記事では、特定の1台を「これを買え」とは書きません。運営元がパソコンの販売と修理をしている以上、機種選びで公平に書けない部分があるためです(広告掲載について)。

代わりに、修理で持ち込まれる台を見てきた立場から、外すと後悔しやすい条件だけを挙げます。ここを満たしていれば、あとはご予算と好みで選んでいただいて構いません。

見るところ条件理由
メモリ16GB以上当店への相談でいちばん多いのは「遅い・重い」で、原因のひとつがメモリ不足です。あとから増やせない機種が増えています
ストレージSSD 512GB以上。eMMCは避けるeMMCは交換できないため、遅くなったときに手の打ちようがありません
保証年数より「先出し交換」があるか修理に出している間、仕事が止まります。年数の長さより、止まる時間の短さが効きます
Office必要なら最初から付いた構成あとから買い足すと高くつくことがあります

条件が決まってしまえば、あとは各社のサイトで、それを満たすものを探すだけです。

レノボ公式オンラインストアで条件に合う機種を探す

この4項目で迷う、あるいは今お使いのソフトが新しいパソコンで動くか判断がつかない場合は、無理に一人で決めないでください。読んで終わりにしていただいて構いませんし、ご相談いただいても記事の中身は変わりません。

CASES

修理の現場で見ていること

「直せるかどうか」と「直す価値があるか」は、別の話です。うちで預かったパソコンを診断していると、この2つが分かれる場面が繰り返し出てきます。

たとえば7〜9年ほど使ったノートパソコンで、電源は入るのに正常に起動しない、という相談。調べるとストレージだけの問題ではなく、バッテリーもかなり劣化していて、キーボードにも不具合があり、Windows 11 の要件も満たしていない、ということがあります。

SSD交換、Windowsのセットアップ、データ移行、バッテリーやその他の部品まで含めると、修理費用は3万円から5万円ほどになります。同じくらいの予算、あるいは少し足すだけで、もっと新しい世代のCPUを積んだ、SSD搭載でWindows 11に対応した中古パソコンが買えてしまう。この価格帯で並ぶと、修理を勧める理由がなくなります。

もちろん、愛着がある、そのパソコンでしか動かないソフトが入っている、という理由があれば直します。判断が分かれるのは費用対効果の話だけなので、直した場合と買い替えた場合の両方を出して、選んでもらうのがいちばん確実です。

見積りは「部品代」だけで比べない。

SSDの値段だけを見て安いと思っても、作業料、Windowsの再セットアップ、データ移行が乗ります。買い替えと比べるときは、そこまで足した合計で比べてください。

「要件を回避してWindows 11を入れた」パソコンも、うちの店に持ち込まれます。インターネットには方法がいくつも紹介されていて、実際それで動く機種もあります。ただ、仕組みが分からないまま使っていると、そのあとの大型アップデートやドライバーで問題が出たときに、原因にたどり着けません。

「今動いているから大丈夫」と「これからも安心して使える」は別です。

とくに仕事で使うパソコンなら、正式にWindows 11へ対応した機種を選んでください。回避して入れた環境は、次に何かあったときに戻せる保証がありません。

よくある質問

Q. Windows 11に上げると、操作は大きく変わりますか

スタートボタンの位置と見た目は変わりますが、やることは変わりません。設定で従来に近い配置に戻すこともできます。「操作を覚え直すのが大変」を理由に先延ばしにするほどの差ではありません。

Q. 要件を満たさないPCに、部品を足して対応できませんか

デスクトップでTPMを増設できる機種は一部ありますが、CPUの世代で弾かれている場合はマザーボードごとの交換になり、事実上の買い替えです。費用対効果は合いません。

Q. パソコンの値段は、待てば下がりますか

現状ではその見込みは薄いと考えています。メモリやSSDに使われる半導体が不足しており、価格の上昇要因が構造的なためです。「安くなるまで待つ」が通用しない局面である点は、判断に入れておいてください。

Q. 古いパソコンはどう処分すればよいですか

データを消してから処分します。単にファイルを削除しただけでは復元できてしまうため、初期化(このPCを初期状態に戻す+ドライブを完全にクリーンアップする)を実行してください。自治体の回収、メーカーの回収、販売店の下取りのいずれかが一般的です。まだ動く機種なら、買取に出せることもあります(エムズグループのパソコンショップエムズではパソコン買取を行っており、データ消去まで含めて対応しています)。

ASK FOR HELP

専門店やサポートへ相談する目安

台数が多い、業務で使っている、データ移行が不安、どの機種を選べばよいか分からない——このような場合は、実機の状態を見たうえでご相談いただくのが確実です。

参考にした公式情報

Microsoft:Windows 11 の仕様と要件 ↗ Microsoft:要件を満たさないデバイスへのインストールについて ↗ Microsoft:拡張セキュリティ更新プログラム ↗

2026年8月2日に確認した内容です。価格や提供条件は変わる場合があります。
この記事について

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